反面教師!AI電子レンジ先生 ~AIを載せれば便利になると思うなよ~

最近、シャープのヘルシオに生成AIを使った「クックトーク」なる機能が搭載されているのを知った。

ほう。

AI電子レンジ。

なんや未来っぽいやん。

ええやん。

……と思ったんやけどな。

AI電子レンジ先生、本日の授業です

この「クックトーク」、生成AIを使って献立や調理手順なんかを相談できるらしい。

食材の使い方を聞いたり、ヘルシオの使いこなし方を聞いたり、音声でも相談できる。

ここだけ聞いたら便利そうや。

ところが。

利用するにはスマートフォンなどからサービスを開き、「COCORO HOME」アプリにヘルシオを機器登録し、「COCORO KITCHENレシピサービス」にログインする必要がある。

……。

いや、電子レンジ使いたいだけやねん。

ここでAI電子レンジ先生から、我々開発者にありがたい授業が始まる。

「機能を増やすことと、便利にすることは同じではありません」

はい先生。

いきなり重要なところ出ました。

コンセント挿して使える。それが家電の強さやろ

家電のユーザーインターフェースとして最強なのは何か。

俺はこれやと思う。

  1. 買う。
  2. コンセントを挿す。
  3. ボタンを押す。
  4. 動く。

終わり。

これでええねん。

ところがネット連携やAI機能が入ってくると、突然こうなる。

  1. スマホを用意する。
  2. アプリを探す。
  3. インストールする。
  4. アカウントを作る。
  5. ログインする。
  6. Wi-Fiにつなぐ。
  7. 家電を機器登録する。
  8. サービスを開く。

ようやくAIが使える。

遠いねん。

AI先生に会うまでが遠足になっとるやないか。

一番AIが助けるべき人が、一番AIにたどり着けへん

ここで気になるのが、デジタル機器が苦手なおじいちゃん、おばあちゃんや。

例えばやで?

おじいちゃん「昨日のご飯あっためたい」

メーカー「まずスマートフォンにアプリをインストールしてください」

おじいちゃん「アプリ?」

メーカー「アカウントを作成してください」

おじいちゃん「アカウント?」

メーカー「無線LANへ接続してください」

おじいちゃん「もうええわ。温めボタン押すわ」

こうなるやろ。

もちろん、ヘルシオそのものはAI機能を使わなくても普通の電子レンジ・オーブンとして使える。

問題はそこやない。

せっかくAIという「操作を簡単にできる可能性を持った技術」を載せたのに、そのAIへ到達するまでの操作が複雑になってへんか?

という話や。

むしろAIって、こういう人を助けるために使うべきやと思うねん。

おじいちゃん「昨日のカレー温めて」

電子レンジ「はい。量を確認して温めます」

これでええ。

スマホすらいらん。

レンジに向かってしゃべるだけ。

それくらいまで操作を減らせたとき、初めてAI家電の意味が出てくるんちゃうやろか。

先生、これはWeb開発でも同じですよね?

ここまで電子レンジをいじってきたけど、これ、Webサービスやアプリ開発でもまったく同じ話や。

「AI機能を追加しました!」

ええやん。

でも使うためには、

  • 会員登録
  • メール認証
  • プロフィール入力
  • 利用規約への同意
  • 権限設定
  • 外部サービス連携
  • 設定画面
  • さらに設定画面
  • その奥にAIチャット

それ、あんたもAI電子レンジ先生になってへんか?

ユーザーが欲しいのは「最新技術を使っているという事実」やない。

自分がやりたいことを、簡単にできることや。

AIを入れること自体が目的になった瞬間、設計がおかしくなる。

AI先生から学ぶ三つのこと

AI電子レンジ先生から学べることは、割とシンプルや。

  1. 機能を増やしても、操作まで増やしたら意味がない。
  2. AIは目的やなくて、ユーザーの操作を減らすための手段や。
  3. 新しい技術ほど、使うまでの導線は古典的なくらい簡単にした方がええ。

Web開発でもアプリ開発でも、ついつい機能を足したくなる。

できるようになった。

せやから載せる。

AIが流行っている。

せやからAIを載せる。

でも本当に難しいんは、機能を追加することやない。

何を消せるか。

何をユーザーにやらせずに済むか。

そこやと思う。

20年以上前から続く「ネット家電」という夢

シャープといえば、20年以上前にも「インターネット電子レンジ」なんてものを世に出している。

そして時代は進み、今度は生成AIや。

インターネット電子レンジからAI電子レンジへ。

技術はものすごく進歩した。

せやからこそ次に期待したいのは、ネットにつながることでもAIを載せることでもない。

「使っている人が、技術の存在を意識せんでも便利になっていること」

やと思う。

AI電子レンジ先生。

今日もええ授業をありがとう。

皆さんも、自分の作っているサービスがAI電子レンジ先生になってへんか、一回確認してみましょうね^^

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