第2話|「頼まれて作っただけ」で終わるWEB屋に、未来はない
「とりあえずトップページだけでええねん」 「文章とかも用意するし、デザインだけサクッとやってくれる?」 「細かいのはあとで詰めるから、とりあえず仮で」
──このセリフにピンときたら、注意せなあかん。
俺はこれで、何回も失敗した。
◆ “言われた通りにやったのに怒られる”地獄
最初はな、「言われたことをその通りやる」のが正解やと思ってた。 でも実際は、
- 「言われた通りに作ったはずなのに、なんか違うって言われる」
- 「あとで細かくって言われてたのに、“最初に説明しといてくれなかった”って言われる」
- 「仮で進めたはずなのに、“これでOKって言ったやん”って怒られる」
……これ、全部あるあるや。
しかもタチが悪いのは、クライアント本人も “自分が何をしたかったか、はっきり言語化できてない”ことやねん。
◆ WEB屋は「翻訳家」であり「設計士」であれ
WEB屋の仕事って、コーディングやデザインやない。 本質は、「クライアントの曖昧な願望を、形に翻訳すること」や。
そのために必要なのは、
- 「これは誰向けですか?」
- 「いちばん達成したい成果は何ですか?」
- 「今の課題はなんですか?」
このへんを聞く技術と、言語化する力や。
作業者から、”伴走者”にならなあかん。
◆ “仮”で作る前に、”本気”で聞け
仮レイアウト?仮テキスト?仮ロゴ? そんなん出されたまま突っ込んだら、9割事故るで。
仮とは「逃げ」や。 「まず目的」と「誰に向けて何を届けたいか」を固めるんが先。
- 仮で進めるのではなく、
- ヒアリングで”要”を固めて、
- 設計図描いてから”仮”を当てはめる。
これができんWEB屋は、ずっと炎上案件に苦しむ羽目になる。
◆ 言われたことだけやる人間が、一番責任を押し付けられる
皮肉な話やけどな、
「頼まれて作っただけです」ってやつが、 一番“怒られる”んや。
「聞いてない」「そんなつもりやなかった」「直してくれると思った」 そう言われて、心折れて、辞めていった仲間もようけおる。
◆ 「これは、なんのためのサイトですか?」が全ての始まり
これ、俺がいつも最初に聞く質問や。
「これは誰に届けたいサイトですか?」 「どんな検索で見つけてほしいですか?」 「見た人に、何してほしいですか?」
この3つだけでも聞いたら、地雷はだいぶ避けられる。
クライアントの言う通りに作る。それは”最低限”。 でも、そっから先がなかったら──
WEB屋としての未来は、ないで。
次回:「やる気あるやつほど断れ。案件選別のリアル」
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